研究内容

熱/物質移動現象の解明

界面熱抵抗の評価

材料中の熱振動状態

一般的な高分子材料中の伝熱機構はフォノン振動による熱伝導が主要因と考えられています。このため、異種材料の接合界面において分子が相互貫入しない場合、界面熱抵抗が生じると推察されます。本研究室での取組みにより、界面熱抵抗と材料親和性に相関があり、材料親和性が低いと界面熱抵抗が大きくなることが報告されています。現在は、相溶化剤の添加による材料親和性の変化が与える界面熱抵抗への影響や、界面接合強度と界面熱抵抗のアナロジーについて研究を進めています。

Cu粒子焼結体を用いた優れた沸騰熱伝達面の創成

熱処理された金属ナノ粒子のSEM像

性能向上に伴って高発熱密度化が進む電子部品等を効率的に冷却する手法として沸騰熱伝達が注目されています。本研究では、銅のナノ粒子を熱処理することによって得られる多孔質体を用いて優れた伝熱特性を有する伝熱面を創成することを目指しています。伝熱面表面の微細な凹凸に由来する濡れ性のコントロールや、多孔質内部の毛細管力による効率的な作動流体の伝熱面への供給を利用して、限界熱流束を向上させることが期待されます。

熱流動計測技術の開発とその高度化

自動車酸素センサの内部流れ解明

小型実験風洞の外観

自動車の排気管に装着される酸素センサは排気ガス中の有害物質を高い精度及び時間応答性で検出する必要があります。しかし、過酷な環境中に設置される酸素センサ素子を保護するために二重円筒構造のプロテクタが設けられているため、酸素濃度測定の信頼性が低下する問題があります。そこで本研究では、センサ素子表面まで排気ガスがどのように到達するかを調べています。具体的には、自動車の排気管の内部環境を模擬した装置(実験風洞)の内部に、アクリル製の酸素センサ模型を設置し、その周囲および内部の流れ場を可視光レーザと高速度カメラにより計測しています。

超音波を用いた新しいタイプの気体流量計開発

超音波送受信子アレイ

空気に代表される気体の流量を正確に、そして素早く計測することを目指して、従来の伝播時間差法やドップラー法とは異なるアプローチによる新しいタイプの気体流量計の開発を進めています。

高機能な熱加工技術開発

ゴムに代表される粘弾性流体の混練技術の高度化

混練時の速度分布

ゴムの製造において、原料ゴムに各種配合剤を混ぜ合わせる工程は最終製品の品質や寿命を大きく左右します。このため、ミキサーなどで混練されるゴムの挙動を解明することは大変に重要です。本研究での取り組みにより、ゴムの持つShear-thinning性や流体の充填率が混練挙動を左右し、ゴム中で配合剤が起こす化学反応に影響することが分かりました。現在は、ミキサーで混練した際の配合剤の分散挙動について研究を進めています。